2013年11月26日火曜日

中国防空識別圏(8):安倍式「倍返し」は、尖閣に航空監視所の設営することか?

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●26日、前瞻網は、中国が防空識別圏を設定したことに対して日本側が強く抗議していることについて、「日本が尖閣諸島でその気になれば、すべての大和民族を巻き込むことになる」とする記事を掲載した。写真は2010年10月の自衛隊観閲式。

中国は外交があまりうまくない。
恩賜外交しかやってきたことがないせいだろう。
世界を相手にするには大人気ないところが多い。
最近の日本関係を冷静に見てみると2つ失敗している。
①.大規模な官製「尖閣反日デモ」を企画して、日本をよみがえらせてしまったこと。
②.ハト派の民主党内閣と交渉せずにこれを恫喝して、自民党タカ派の安倍内閣を高支持率で誕生させてしまったこと。
大規模な尖閣デモを挙行することで、怯えた日本が尖閣半島を差し出す、とふんでの行動だと思うが、結果は2/3世紀にわたって眠っていた危険な小竜を目覚めさせることになってしまった。
これは中国にとっては最悪の結果だと見ていいだろう。
尖閣問題はハト派の民主党内閣と外交交渉して、両者にとってそこそこの結果をだせば、民主党政府も存続でき、中国のメンツも立ったであろうに、これを完膚なきまでにといった表現がいいほどに攻撃をして、逆に自民党「タカ派内閣を引きずり出す」ことになってしまった。
外交ができないというか、先が見えないというか、ただその場その場の目先の建て前にだけに執着するために、とんでもない失敗をやらかしてしまう。
長期的展望というか、こうすればこうなる、といった簡単なシュミレーションもできないということである。

その3番目が今度の防空識別圏策定である。
③.中国防空識別圏の設定は、日中対峙の中にアメリカを引きずり込み、そのアメリカを敵に回すことになったこと
である。
防空識別圏は日本の識別圏と大きく重なる。
その重なった部分には、沖縄・韓国に駐留する米軍航空機の飛行空域がある。
よって中国の設定は、アメリカ軍に戦闘機等の軍用機にフライトプランを中国に提出せよ、という形のものになってしまう。
米軍が機密に属する飛行計画を他国に通達するなどということはできようがない。
そんなことは誰にもわかる外交イロハである。
しかし、それを中国はアメリカに要求する形をとってしまった。
怒るのはアメリカである。
即、反応が出た。
国務省、国防省とダブルで出てきた。
 「即、撤回せよ!」
こうなることはわかっていたであろうに。
これまでアメリカは主権問題にはかかわらない姿勢を貫いてきた。
その後、尖閣は国際的にみて日本に施政権があるとみなされるので有事の場合は日本を支持する、という決定をしている。
しかし、基本的にこれは有事のさいの立場で、平時は第三者の立場を保っている。
だが、このたびの中国の防空識別圏は、平時においてのアメリカ軍の飛行に関与してきたということになる。
つまり、
 平時において中国はアメリカと敵対するという関係をこの防空識別圏設定で作り出してしまった
のである。
ということは、中国はアメリカを敵とする関係に自らハマりこんでいった、ということにになる。
もちろん、アメリカと一戦やる、ということで設定したのならばそれはそれでいい。
しかし、日本ですら持て余しているのに、さらにどこにアメリカを意図的に敵に回す必要があるのだろうか。
不可解というか、冷静にみれば「バカ」としか思えない中国の動きである。
このことは、そこまで中国が国内的に追い詰められている、ということでもあるのかもしれない。

平時のアメリカまで明確に敵に回してしまった中国に対して、おそらく安倍さんは得意の倍返しの攻勢をかけてくるだろう。
実際、チャンスというものは相手が動いてくれることによって生じる。
その動きのミスを如何にうまく掴むかがチャンスになる。
今回中国が大きく動いてくれるたことによって、日本に大きなチャンスが訪れた。
安倍さんはどう動くか。
まずはしばらく、「防空識別圏の撤回」を音量大きく求めていくことになる。
当然、中国は「はいそうですか」とは応じない。
中国はメンツで動く国である。
一度設定したものを周囲から反対されたからといって引っ込めるわけにもいかない。
もしそのようなことをしたら中国国内が荒れ狂う。
政府が窮地に立つことになる。
安倍さんはこういうだろう。
中国に繰り返し繰り返し防空識別圏の撤回を求めたが、中国は応じようとしない。
 日本としては、已む得なく自国領である尖閣諸島の上空を守るために、下記のことを実行する
それはなにか?
予想では、中国防空識別圏の設定によって尖閣諸島上空に飛来する他国籍の航空機を監視するという名目での、
航空監視所」の設営
ということではないだろうか。
というのは、「日本-台湾」の民間旅客空路がこの中国の設定した防空識別圏を通過することになる。
中国の戦闘機はこの防空識別圏によって、飛行プランが出ていなければスクランブルをかけられる。
日本政府は全日空とJALに対して中国への飛行プランの提出をストップさせている。
この結果、この路線の旅客機は中国軍の標的状態にさらされることになる。
 「日本-台湾路線の安全確保」の名目で、尖閣諸島に航空監視所を設ける、という名分ができるというわけである。
つまり、中国の防空識別圏の設定を振り子に、尖閣諸島に足を踏み込んでいく、ということになるのではないだろうか。

日本という国は能動的には動けない国である。
自ら何かをやっていくということができない。
しかし、誰かが何かをやってくれれば、それに対応する形では持てる力を充分に出しきることができる。
防空識別圏というものを中国が設定してくれたお陰で、これに合わせた形で、これまでよりもはるかに大きな行動領域で、深く踏み込めるのではなかろうか。
そのよい例として尖閣諸島がクローズアップされてくると思われる。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月27日 7時29分

中国、GDPで日本を40%も上回る=ただし軍事力に転化されるには時間必要―中国メディア

 2013年11月25日、鳳凰網は「中国、GDPで日本を40%も上回る」と題した防衛論評を掲載した。

 日中関係をめぐる話題がヒートアップする中、
 日本当局は中国に対する抑圧を強めようと試み、
 東アジア・東南アジア諸国を味方に引き入れ、公然と中国に歯向かおうとしている。
 大局的な視点から見れば、
 その根本的な原因は、中国と日本の実力差にすでに変化が見られることに起因している。

 中国の名目国内総生産(GDP)は2010年に初めて日本を上回り、以降、その差はさらに開いている。
 世界銀行の最新統計によると、中国の2012年のGDPは8兆3584億ドルに対し、日本は5兆9597億ドルと、中国が日本を40%も上回っている。

 経済成長の勢いで中国が日本を圧倒するのは確実で、日本当局が危機感を抱くゆえんだ。
 直近の2年間は中国の経済成長は鈍化傾向にあるとはいえ、依然として高い水準を維持している。
 日本は中国への対抗意識から自衛隊の装備増強や人員増を計画しているが、経済の停滞が軍事費に影響することは避けられない。
 日本は軍事力で質的な優位性を保っているが、世代交代がうまくいかなければ将来的には致命的な弱点となるだろう。

 とはいえ、中国も盲目的に楽観はできない。
 中国が経済面で優位を占めたのはわずかこの3年であり、それが軍事力の増強に転化されるまでには時間がかかる。
 現時点では、主要な装備面で中国が日本を追い抜くことは依然として困難だ
 特に、研究開発と建造に時間を要す軍艦においては、日本には数十年かけて高額の軍事費を投入してきた蓄積がある。
 さらに言えば、中国は日本の10倍の人口を抱えるが、国民一人当たりのGDPで見れば、日本は中国の7.5倍であり、その差は歴然だ。
 そして最も重要なのは、日本には米国の後ろ盾があるということだ。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月27日 7時48分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79669&type=0

防空識別圏に咬みつく日本
=「開戦すればすべての大和民族を巻き込む、安倍首相は熟慮を」―中国専門家

2013年11月26日、前瞻網は、中国が防空識別圏を設定したことに対して日本側が強く抗議していることについて、
「日本が尖閣諸島(中国名・釣魚島)でその気になれば、すべての大和民族を巻き込むことになる」
とする記事を掲載した。
以下はその概要。

日本は安倍政権が誕生して以来、事あるごとに中国に対抗しているが、中国と日本は一衣帯水である。
中国経済が日本を上回ったことで、日本はほぞをかむ思いをしているだろうが、このように公然と中国を“敵”とみなす政策は、日本の国家戦略に一切の利益をもたらさないばかりか、日本のイメージを悪くするだけである。

今回の防空識別圏の設定は、特定の国に向けたものではないが、日本は自国の防空識別圏と大幅に重なっていることでいら立ち、中国に対して必要な措置をとるとしている。
しかし、専門家は
「日本が尖閣諸島でその気になれば、すべての大和民族を巻き込むことになる。安倍首相は熟慮すべき」
と指摘する。

日本のたび重なる“挑発”行為に、多くの中国国民が
「日中が1戦交えることは避けられない」
と考えている。
専門家は
日本の心理状態が落ち着いていないことに帰結する。
 日本はすでに中国に追い抜かれたという事実を受け入れられないでいる
としている。
 


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月26日 22時37分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79640&type=0

日中が開戦すれば、日本に対して「過去の清算」を行う―中国紙社説

 2013年11月26日 、環球時報は「日中が開戦すれば、日本に対する過去の清算となる」とする社説を掲載した。

 日米が中国の防空識別圏を設定したことに抗議の声を強めている。
 安倍首相は25日、中国側の措置について
 「不測の事態を招きかねない危険な決定
と非難した。
 また、米国の国務長官と国防長官は、中国に「事件を引き起こす可能性がある」と警告し、
 「尖閣諸島(中国名:釣魚島)は日米安全保障条約の適用範囲内であり、米国は同盟国との約束を順守する
とした。
 しかし、これは中国にとって意外なことではない。
 われわれは、日中の対立が深まるにつれて、米国がさらに中国に圧力をかけてくることは織り込み済みである。

 中国が防空識別圏を設定する目的は衝突を回避するためであり、航空機に対して識別を行うのはまさにそのためである。
 日本は東シナ海の平和を望むのなら、両国の防空識別圏の運用について中国と協力して危機管理を行うべきであり、技術が発達した今日であればそれは難しくはない。

 尖閣諸島の争いは領土の争いであり、相手は日本である。
本政府は、日中にひとたび「不測の事態」が起きれば、中国社会の全力を挙げた国家への支援は、日本が結集できる力には絶対に劣ることはないことを理解する必要がある。

 それはおそらく日中両国社会の対決となり、一種の“過去の清算”となるだろう。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月27日 12時37分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79705&type=0

<防空識別圏>中国の動きを“封印”できない日本―中国メディア

 2013年11月27日、参考消息網は、中国による防空識別圏設定に対する日本政府の対応や日本メディアの報道を掲載した上で、
 「防空識別圏における自衛権行使を明確に表明した中国の動きを、日本政府は『封印』できないでいる」
と指摘した。

 日本メディアの報道によると、小野寺五典防衛相は26日の記者会見で、中国が東シナ海上空に防空識別圏を設定したことについて、自衛隊と在日米軍が連携して対応する方針を明らかにした。

 岸田文雄外相も同日の記者会見で、米国・韓国・台湾などと連携して中国の防空識別圏設定に対応していく考えを明らかにした。

 首相官邸の消息筋は
 「各方面が共同で中国の防空識別圏を無視すれば、防空識別圏は形骸化する。中国の試みは挫折するだろう」
と指摘した。

 しかしながら、防空識別圏における自衛権行使を明確に表明した中国の動きを、日本政府は「封印」できないでもいる。

 菅義偉官房長官は記者会見で、「航空会社に対し、飛行計画を提出しないよう協力を要請した」と強調した。

 安倍晋三首相は26日午前、首相官邸で岸田外相、小野寺防衛相らと安全保障会議を開いた。

 日本メディアは、
 「安倍政権は強硬姿勢を崩していないが、中国側が防空識別圏の撤回に応じる様子はなく、日本政府は対応に苦慮している」
と報じた。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月27日 14時9分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79717&type=0

中国に対抗?日本の防空識別圏、小笠原諸島まで拡大へ―日本メディア

  2013年11月27日、日本メディアによると、防衛省は日本の防空識別圏を小笠原諸島まで拡大することを決定し、すでに具体的な協議に入っているという。
 国際在線が伝えた。

 報道によると、日本は小笠原諸島上空は他国の航空機が領空侵犯する可能性が低いとみていたため、これまで防空識別圏の設定をしてこなかったが、中国が東シナ海に防空識別圏を設定したため、政府および自民党内で設定を求める声が強くなったという。

 防衛省は中国を刺激しないよう、現在、慎重に拡大のタイミングをうかがっているという。



 本当に日本政府は苦慮しているのか?
 とてもそうには見えない。
 というより、苦慮しているポーズを見せているだけのように感じられる。
 「してやったり、シメシメ」と腹の中でニコニコしているようにすら感じられる。
 中国が勝手に防空識別圏を設定してくれたおかげで、日本は
 尖閣諸島を有効利用する名分
をえたことになる。
 例えば、昨年の尖閣反日デモはその時点では中国側の大きなポイントであったが、時間がたつに連れて、日本側ポイントのほうがはるかに大きくなってきてしまった。
 なにしろ、これによって日本は2/3世紀にわたる軍事タブーから突然開放される、というとんでもない利益を得ることになってしまった’のだから。
 おそらく、この防空識別圏の設定は日本が尖閣諸島を積極的管理下におく決定的なきっかけになるような気がする。






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