2013年12月10日火曜日

中国、長征4号打ち上げ失敗:25年目にして味あう悪夢

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●9日、中国がブラジルと共同開発した地球資源探査衛星「資源1号03星」を搭載し、山西省の太原衛星発射センターから打ち上げられた長征4号B型ロケットが軌道を外れたことがわかった。写真は長征4号B型ロケット。


レコードチャイナ 配信日時:2013年12月10日 19時1分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80322&type=0

ブラジルと共同開発した地球資源探査衛星打ち上げに失敗―中国

 2013年12月9日、中国がブラジルと共同開発した地球資源探査衛星「資源1号03星」を搭載し、山西省の太原衛星発射センターから打ち上げられた長征4号B型ロケットが軌道から外れ、失敗したことがわかった。
 環球時報が10日付で報じた。

 ブラジルメディアは、政府の声明として、
 「発射行程は順調だったが、飛行中にロケットに何らかの故障が起き、予定の軌道から外れた」
と伝えた。

 仏AFP通信は、
 「壮大な宇宙開発計画を持つ中国で、こうした打ち上げミスは珍しい」
と指摘した。

 ロケット分野に詳しい中国の専門家は、
 「長征4号B型ロケットはこれまでにも数回打ち上げられ、成功率も高かった」
とした上で、ロケットの設計自体に問題はなく、製造または管理上の問題があった可能性を指摘した。



サーチナニュース  2013/12/10(火) 10:13
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1210&f=national_1210_007.shtml

中国が失敗…長征4号B、ブラジルの資源探査衛星の打ち上げ

  新華社など中国メディアは9日、山西省内の太原衛星発射センターで打ち上げたブラジルの資源探査衛星を軌道に乗せることに失敗したと報じた。
 打ち上げには長征4号B型ロケットを用いた。

  打ち上げは午前11時26分だった。
 飛行中のロケットに故障が発生し、衛星を予定の軌道に投入することができなかったという。
 中国、ブラジル双方の専門家が故障の原因を分析している。
 今後の協力については、双方とも問題を感じていないという。

  長征4号Bによる衛星打ち上げが失敗したのは
 1988年9月の初打ち上げ以来初めてとされる。

  長征シリーズとしては187回目の打ち上げで、
 失敗は2011年8月の長征2号Cの打ち上げ以来とされる。

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◆解説◆

  長征4号は、衛星を地上の観察によく用いられる極軌道・太陽同期軌道衛星を打ち上げる目的で開発されたロケット。
 打ち上げ衛星の用途としては地表面の自然状況や利用状況を調べるリモートセンシング衛星、偵察衛星、気象衛星などがある。

  低軌道への衛星打ち上げ能力は4200キログラムまで、静止トランスファ軌道ならば1500キログラムまで。

  長征4号Aは1988年から90年にかけて打ち上げられた。
 その後は派生タイプの長征4号B、同4号Cが用いられている。

  中国は1957年12月から1960年6月まで、ソ連からロケット技術の供与を受けた。
 約2年半で終了したのは、中ソ対立が発生したため。
 中国はそれ以降、独自で宇宙技術の開発を進めた。

  1995年1月には打ち上げ直後の爆発で少なくとも20人が、1996年2月には打ち上げ直後の打ち上げ関係者の家族用の住宅地への落下で500人以上が死亡するなど大事故を起こしたが、その後、長征シリーズは75回連続して打ち上げに成功するなど、比較的安定した実績を残している。



サーチナニュース 2013/12/12(木) 08:44
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1212&f=national_1212_002.shtml

中国が衛星打ち上げに失敗…言い訳に批判集まる=中国版ツイッター

  中国は9日、中国とブラジルが共同開発した資源探査衛星を積んだロケットを山西省内の太原衛星発射センターから打ち上げたが、衛星の軌道投入に失敗した。

  打ち上げられたロケットは軌道から外れて南極に墜落した。
 中国当局によれば、ロケットに技術的トラブルが発生したとみられるが詳しい原因は明らかになっていない。

  中国共産党の機関紙・人民日報系の環球時報は、衛星の軌道投入失敗について
 「ロケット発射に失敗することはごく正常であり、米国やロシアなどの宇宙開発大国は何度もロケット発射に失敗している」
と自らを弁護した。

  今回の衛星打ち上げ失敗について、中国の簡易投稿サイト微博を覗いてみると、

●.「慰めの言葉なんて不要だ。失敗した原因を探せ」
●.「誰も責めてないのに、自ら弁護するなどみっともない」

  など、微博ユーザーたちからは失敗したことではなく、環球時報が「言い訳」したことに批判が集まっていた。
 だが、共産党機関紙が“ロケット打ち上げ失敗”のニュースを報道したことを評価するユーザーもおり、

●.「失敗のニュースを報道するとは意外だ。評価したい」

  とのコメントもあった。
 確かに、中国が自ら失敗のニュースを報道することは非常に珍しいといえるだろう。
 では、なぜ打ち上げに失敗したのか?
 専門家らが原因を調査中のようだが、微博ユーザーからは、

●.「大気汚染のせいで飛ぶべき方向が見えなくなったのでは」

  と、中国で深刻化する大気汚染問題を絡めて皮肉を述べるユーザーもいた。
 今回は長征4号B型ロケットによっての打ち上げだったが、同ロケットによる衛星打ち上げが失敗したのは1988年9月の初打ち上げ以来初めてとされている。








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